
Contents
- 1 幅広くハイブリッドなサービスを!――INTLOOPについて
- 2 きっかけは優秀なフリーランスと働いた日々!――ビジネスモデルについて
- 3 幹部から順番に辞めてしまう事態に!?――これまでの“成長痛”とは?
- 4 飲食店が多いエリアがカギだった!?――社員の士気の上げ方
- 5 マネジメントは学びながら!――現時点の“成長痛”とは?
- 6 休める時に休むように!――ワークライフバランスについて
- 7 現場では嫌がられてしまう…?――新規事業について
- 8 目指すは売上1000億円!――林社長にとっての成長とは
- 9 現場への権限委譲が一番のカギだった!――成長を続ける秘訣
- 10 口出しはかえって邪魔になってしまう!?――権限委譲を行う理由
- 11 シナジーを高める融合を!――M&Aについて
- 12 ベンチャーとも一緒に成長したい!――ベンチャー投資について
成長企業の成長に伴う“痛み”やどのように成長を遂げてこられたのか“How to”に迫る新企画、「成長ツウ!」をお届けします。
今回は、事業創造型コンサルティング事業をハイブリットモデルで展開されるINTLOOP株式会社の林氏にインタビューしました。
INTLOOP株式会社
代表取締役 林 博文氏
https://www.intloop.com/
幅広くハイブリッドなサービスを!――INTLOOPについて
INTLOOP株式会社の林と申します。会社としてはコンサルティング事業をメインに展開しており、フリーのコンサルタントと自社のコンサルタントを組み合わせて、ハイブリッドでお客様にサービスを提供しています。
また、現在はコンサルティング以外に、ITエンジニアやプログラマーなどの分野にも広げ、幅広いハイブリッド型サービスを展開しているのが特徴です。
きっかけは優秀なフリーランスと働いた日々!――ビジネスモデルについて
2003年から2004年にかけて、フリーランスの方と一緒に働いていたのですが、フリーランスの方が非常に優秀な方ばかりで。こうした方々をネットワーキングすれば大きなビジネスになるのではないかと思い、会社を立ち上げました。
当初は「ずっと1人でフリーランスとして生きていくのもいいかな」という気持ちだったのですが、だんだん仲間が集まってきて、フリーランスの方も増えていき、営業も雇わないとみたいな感じで、少しずつ会社の規模が膨れていきました。
幹部から順番に辞めてしまう事態に!?――これまでの“成長痛”とは?
中小・ベンチャー企業の方ならイメージがつくかもしれませんが、従業員が20~30人ほどの規模というのが、お互い個人的なことも理解しやすく、人をまとめるのに最も良い規模感なんですよ。
ただ、当時は完全にオーナー企業だったこともあり、どうしても自分のメリットを優先しがちになってしまって。元々そんなに会社を大きくするつもりもなかったので、その状態を長く続けてしまいました。
成長しない会社に対しては社員がどんどん飽きてしまうんですよね。その結果、2014年ぐらいに幹部から順番にやめていく事態になり、一時期社員数が半分以下になってしまいました。
このままだと会社が潰れてしまうという状況になり、初めて「成長して給料も上げ続けないと、社員が面白みを感じない」という当たり前のことに気づいたんです。それをきっかけに、一気にシフトチェンジしました。
飲食店が多いエリアがカギだった!?――社員の士気の上げ方
社員数が減少した当時は、オフィスの立地に問題があるかもしれないと思いました。周辺に飲食店などがあまりない立地だったんですよね。家賃が安めなところを狙って家探しをするのと同じ感覚で、オフィスの立地を少しケチってしまったところがありました。
従業員は、やはりみんなでランチや飲み会など、ワイワイとしたコミュニケーションを取りたいのかなと。そこで、「飲食店が多くある場所にしよう!」と決めてオフィスを探しました。
マネジメントは学びながら!――現時点の“成長痛”とは?
弊社はこの7〜8年間、毎年約40%という高い成長率を維持し続けています。
人もどんどん増えてきて、中途採用も新卒採用も増えてくると、どうしてもマネジメントするメンバーが必要になるんですよね。
マネジメントメンバーの大半は、組織がまだ大きくない時に採用した人が多数。マネジメント方法を教えているわけではないし、私自身も学びながらやっています。右往左往しながらマネジメントをしている部分は、現在の“成長痛”だと言えるのではないでしょうか。
休める時に休むように!――ワークライフバランスについて
上場後、ワークライフバランスが取れていると思っています。とは言っても土曜日・日曜日の感覚は失われるので、「休める時に休む」という感じにはなっていますね。子供は不満がっていますが(笑)
現場では嫌がられてしまう…?――新規事業について
新規事業に関しては、私自身が多くの経営者の方々と話す機会が多いので、「こういう領域もできるかも」といったことをすぐ考えてしまうんですよ。それで、私が「これやろうよ」とすぐ言ってしまうので、正直現場では結構嫌がられています(笑)
「誰がやるんですか!?」みたいな空気になるので。
会社としてあまり良くないとは思うのですが、私が何でもやれと言ってしまうことで、若いメンバーが「自分から提案したら自分の担当にさせられてしまう」と思って、あえて意見を言わない現象が起きているんですよね。ただ、意見を発信しやすい文化自体はあって、こうしたことも社員アンケートで書かれていました(笑)
目指すは売上1000億円!――林社長にとっての成長とは
この業界も周辺の業界も、まだまだ成長の余地が残されていると思っています。私自身もその舵取りをして中長期の計画を立てているのですが、売上1000億円を目指したいと考えています。そこに向けて様々な手を打っている最中です。
現場への権限委譲が一番のカギだった!――成長を続ける秘訣
まず、「投資フェーズ」と「利益を作るフェーズ」というのは、ある程度分けた方がいいと私は考えています。
上場前までは完全に投資フェーズに舵を切っていたので、「利益がゼロでもいいかな」という姿勢で投資を進めてきました。しかし、上場後は株主さんもいるので、利益を出していく戦略にチェンジ。予算をコントロールしながら人材採用などを行うようになりました。
その上で、最も重要になるのは「社長が現場に入りすぎないこと」だと考えています。私自身は現場に権限を委譲していて、自分はなるべく成長戦略を考えるといった部分に絞って進めています。
それが今のところは上手くできている一方で、マネジメントの育成に今後の課題を持っているのも事実です。そこに対しては、コンサルタントや顧問の方を入れて、マネジメント研修などを行うことで、組織として成長できているのかなと思っています。
口出しはかえって邪魔になってしまう!?――権限委譲を行う理由
自分が創業したのが30代前半だったこともありますが、ある程度若い時に大きいものを任せてもらえた方が嬉しいじゃないですか。あとは私自身、口出しされるのが嫌で独立したというのもあるので、他の人も口出しされるのは嫌だろうなと。
また、事業が広くなると正直自分では分からないことも多くなりますよね。それなのに変に口を出すのも邪魔になってしまうじゃないですか。なので、あまり口出しをしないようにしています。
シナジーを高める融合を!――M&Aについて
売上1000億円をなるべく早期に実現させて、少しずつ基盤を固めていきたいんですよね。ただ、オーガニック成長のみで40%ずつ成長し続けても、1000億円を目指すとなると、正直いつになるかわからない状態なので、積極的にM&Aも進めていくつもりです。この戦略は中長期の戦略としても明確に掲げています。
今当社で手掛けているビジネスは、コンサルティング・ITの開発系・Webマーケティングを中心としています。なので、そこに近しい領域の会社さんとの融合は一番相場効果が高いのではないでしょうか。
また、開発系の会社さんをはじめ色々とお話を伺う中で、「単独で上場するとPER(株価収益率)がつきづらい」という声がかなり上がっているんですよね。そうした会社さんと上手く融合すれば、その会社さんの価値も引き上がり、双方にメリットが出るのかなと思っています。
また、PERが低くても上場されている会社さんも多くあります。そこを上手く融合させることで、シナジーを高めていきたいですね。
エリアに関しては、今は札幌・大阪・名古屋・福岡・北九州・沖縄と支店を展開していますが、IT周りだと日本全国にニーズはあるので、どこでもいいかなと思っています。また、海外に関してもいくつかお話を頂戴していますし、将来的には狙っていきたいと考えています。
開発をメインにされている会社さんは、IT周りでかなり多いと思うのですが、「上流のコンサルティング領域から入る」というところが苦手な会社さんも多いです。
当社のグループにこうした会社さんを迎え入れることで、お客さんへの提案の幅が広がり、事業の拡大につながると思います。また、お客さんの相互紹介など、お互いの規模を拡大できる点も含めて、非常にメリットが大きいのではないでしょうか。
ベンチャーとも一緒に成長したい!――ベンチャー投資について
当社は『FANDINO』という、ベンチャーのクラウドファンディングをされている会社さんに投資させていただいたことがきっかけで、ベンチャー業界の方々からお声がけいただくことが多々あります。そこを有機的に組み合わせることはもちろん、ベンチャーは資金調達ができても人が足りないケースも多いので、それをご支援できるという意味でもシナジー効果が高いと思っています。
国としても、税制改革など支援する制度が拡充しているので、我々もそこを上手く活用しながら、ベンチャーさんと共に成長できたら幸いです。

↑ありがとうございました!