人材派遣・総合アウトソーシング上場企業が、人材派遣の一本足打法から脱却!新規事業をM&Aで生み出す「成長ツウ!」とは?

成長企業の成長に伴う“痛み”やどのように成長を遂げてこられたのか“How to”に迫る新企画、「成長ツウ!」をお届けします。
今回は、人材派遣・総合アウトソーシング上場企業で、管理本部の責任者とM&A事業代表の二刀流をされるCRGホールディングス株式会社の小田氏にインタビューしました。

CRGホールディングス株式会社
常務取締役 小田 康浩氏
https://www.crgh.co.jp/

▶後編動画はこちら!

人材派遣に加えてM&Aにも着手!――CRGホールディングスについて

弊社は2018年の10月に東証マザーズ(現:東証グロース)に上場し、現在に至る企業グループです。人材派遣事業がコア事業ですが、人材派遣1本足からの脱却を目指し、近年はM&Aなどにも取り組んでいます

例えば、昨年には障害者雇用支援を行う『PALETTE』にジョインいただきました。 また、通訳翻訳をメイン事業とする『OCiETe』にジョインいただき、これを新たな社内事業として立ち上げるなどの取り組みも行っています。

管理本部責任者とM&A事業代表の2つの顔を持つ!――小田氏について

私はホールディングスの管理本部長として、間接部門を管掌させていただいている立場にあります。その一方で、私自身が元々金融・銀行・証券・投資銀行の仕事をしていた背景から、さらなる業容拡大を目指し、M&Aの投資および M&Aの会社として『CRGインベストメント』を一昨年立ち上げました。

従って私は現在、二足のわらじで管理部門の責任者とM&A事業に関わるCRGインベストメントの代表を務めています。

立ち上げに上場準備に大忙しだった!──1番大変だったご経験

私が入社した当時が、まさにコールセンター向けの派遣業務が大きく成長している時期で、通期で約20億円ずつトップラインを伸ばしていました。

そんな中で、弊社には財務管理や管理部門を統括する人材がいないという課題があったんですよね。当時、私は投資銀行業務の仕事をしていたのですが、会長の井上と代表の古澤と接点があったということもあり、声をかけていただいて弊社に入社しました。

入社後やはり間接部門の脆弱さを目の当たりにしました。さらに、私が入社した1~2年後に上場に向けた準備を主体となってやってほしいという命題を受け、本格的に上場の準備に入っていきました。当時、間接部門は無いに等しいような状況だったので、上場を見据えながら、人材紹介などを活用し、イチから立ち上げたのは苦労した経験です

体制構築の期待が高かった!――立ち上げの中でも1番大変だったこと

弊社は、人材派遣をメインとした会社ですので、労務は必然的に経営課題として上がってくるところでした。社労士事務所と協力しながら労務体制の整備を進めました。

ただ、やはり1番大変だったのは数値の管理。予実(金額の予算と実績を管理すること)や経営計画の策定、上場で一番求められる内部統制の構築が最も大変でした。

ある意味、事業面は放っておいても伸びていた時期でしたので、それを支える管理部門・間接部門の早期の体制構築というのが強く求められていました。だからこそ、一番大変だったなと思います。

ベンチャー志向と経営陣との縁がつないだ!――人材派遣業へ入社した決め手

私は、もともと銀行員としてキャリアをスタートしましたが、その頃からスタートアップ・ベンチャー企業に非常に興味があり、「ベンチャー企業で責任ある仕事をしたい」という思いを強く抱いていました。

そのためには、経営者との信頼関係が非常に大事だと考えていたところ、元々知り合っていた井上(会長)・古澤(代表)の二人から声をかけていただいたことが大きなきっかけとなりました。

派遣への興味というよりは、勝手知ったる方から声をかけていただいたことベンチャー志向が強かったことの2点が、最終的に決めるポイントになったと思っています。

↑インタビューの様子。事業について丁寧に説明していただいた。

精神的にも体力的にも苦労した!――会社全体で最も大変だったこと

やはり上場に向けて動いていた時ですかね。最初はショートレビューから始まり、そこから公開引受、審査、東証の審査というステージで進んでいくのですが、東証の審査のところは最も大変でした。

↑上記のような流れで上場を進めていく。

気も遣わないといけないところでしたし、予実も外してはいけないといった色々な制約がある中で走っていたので、精神的にも体力的にも一番大変だったと思います。今となっては良い経験だったと思うのですが(笑)

インセンティブプランも上場の要因!――従業員のモチベーション維持について

上場時期を延期されてしまうと、従業員のモチベーション維持が非常に難しいという話は聞いていました。そのため、必ずオンスケジュールで上場させなくてはならないという思いはありましたね

その上で、モチベーションを保つ、さらには高めるためにインセンティブプランの導入が必要だと考えていました。様々な制度を導入することでモチベーション維持を図ったということにはなりますが、最終的には上場できた一因になったのではないかと思います

目指すは人材派遣1本足からの脱却!――“成長痛”について

まだ9割ほどは派遣事業なので、新規事業を立ち上げたり、M&A によって我々のグループにジョインしていただいたりすることで、人材派遣1本足からの脱却をしていきたいと考えています。それが今目下の経営課題、1つの“成長痛”なのではないでしょうか。

また、人材派遣というのは規制業種ですので、法や様々な諸制度の改正によって影響を受けるのは否めないと思います。中でも、同一労働同一賃金や社会保険適用の拡大などは、人材派遣事業にとっては大きなインパクトを及ぼす改正でした。

こうした背景から、「人材派遣1本足ではいけない」という考えにつながっているのではないでしょうか。

M&Aで切り拓く!――今後の乗り越え方

やはり、よく言われる「時間を買う」という意味で、M&Aは必須のツール手段だと思っています。なので、昨年1社ジョインしていただきましたが、今後も積極的に進めていければと思っています。

苦しみながらでは意味がない!――企業理念「成長を愉しもう。」について

去年ブラッシュアップしたものなのですが、決めるにあたっては喧々諤々いろいろと社内・グループ役職員一同で、議論して決めました。

グループ全体の業容を拡大するにあたり、成長というのは必須です。ただ、苦しみながら伸ばしていくのでは意味がないということで、「愉しみながら、みんなで一緒に事業を伸ばしていこう」という趣旨で作ったものになります。

自分が先頭を切って成長した姿を見せる!――小田氏にとっての成長とは

我々CRGホールディングスは、公の企業・上場企業ですから、当然ながら社会の一員として社会に役立つ企業であり続けなければならない。そのために成長もしなくてはならないと思っています。

では、その成長のために何が必要かと言うと、個々の企業が売上・利益をしっかり伸ばしていき、社会・株主の方々に還元させていただくということが、まずはあってしかるべきだと思います。それをしっかり実現できるように、まずは業績を良い方向に持っていきたいですね。

また、私自身が成長している姿を見せないと、グループにいる役職員の方々にも気概を与えられないと考えています。まずは私が先頭を切ってそのような姿を見せ、グループ各役職員が同じ思いを持つことで、愉しみながら成長してさらに飛躍する。そんな企業グループにしたいです。

↑ありがとうございました!

渡辺 紗里奈

経営戦略室 シニアアソシエイト

渡辺 紗里奈

この記事を書いた人

東京理科大学卒業後、新卒で株式会社日本M&Aセンターに入社し、M&Aアドバイザーとして従事。当社においては、100億円を超えるディールサイズの案件をセルサイドFAとして担当。M&Aアドバイザーとしての経験を活かし、経営戦略・新規事業・マーケティング等、NEWOLD CAPITALの経営戦略推進を担当。

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